2020S [1巡目]優越的地位濫用
2020-05-21
Zoom「ミーティング」
カメラはオフ
基本的に従来どおりテキスト(できればSlack)での質問。
しかし必要に応じ、マイクをオンにして質問してもらうこともあり得る(特に土曜日の質問タイム+ゲストの回)。それをやりやすいよう、「ウェビナー」でなく「ミーティング」でやってみる。
白石のカメラを使って板書・Scrapbox現在地を映写。白石のカメラ画面をピン留めすると、大写しされると思います。
9k197-211
違反とされる行為の例 9k200-203
前提:買う側の行為が問題となることが多い(特に日本)
https://gyazo.com/a82f9d61150ca4ef7a81b790999e71d2
2条9項5号イ
不要品強要型抱き合わせ
購入側が買わせる、も含む
2条9項5号ロ
協賛金の要請
従業員派遣の要請
2条9項5号ハ
「その他」より前の例
支払遅延
減額
「買いたたき」とは異なる
「その他」よりあと
見切り販売の禁止
他と取引させない
芸能事務所と芸能人
他者排除の観点で問題にする場合もある
個人情報等関連の濫用行為
新たな負担を条件とする行為
板書
https://gyazo.com/88dc11ad0b08633f8d0cd50d224ec89d
農協の諸事例と芸能人の諸事例
https://gyazo.com/54bb42d4e5c1aae64c453ffa77b7c452
https://gyazo.com/11ed6616599397e43a6ebcc0dc479e24
Q
2条9項5号のイロハの使い分けとして、どうやって使い分ければいいか具体的に教えていただきたいです。結局同じようなものにみえてしまうんですが、教科書にのっている具体例だけ押さえておけば大丈夫でしょうか。
shiraishi.icon
ハの「その他」以下が全ての受け皿
例示
イ
ロ
ハ「その他」より前
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11:22
基本的視点
具体的な違反要件の問題を見る前に
搾取か、優越的地位濫用か、については、以下の3点を見たあとに
① 政策論(規制すべきか否か)9k200で少しだけ
米国:規制しない
もし独占できたら何でもできる、とすることで、現在の競争を促進
どこからが違反かの線引きが難しい
EU:控えめに規制する
米国のいうことはわかるが、極端にひどいものは規制すべき
② 位置付け論9k198-199
搾取規制説
EUでは当たり前
間接的競争阻害規制説
日本(実際にはそのような立証はしない)
https://gyazo.com/f88026e0a446ec2951e91dc8655b9ef9
③ 市場での優越か、相対的優越か 9k203-204
市場での優越(支配的地位)
EU
取引相手方との関係での相対的優越で足りる(優越的地位)
日本
取引相手方を出発点とする狭い市場画定をすれば市場での優越があるのではないか、とも思われるが、
公取委は山陽マルナカ・ラルズ・エディオン・ダイレックスの各審決で取引相手方にとって10%または9位の存在感でも優越的地位を認定している模様
https://gyazo.com/f8bef0585de6d4c24d3eb955bb74c1c8
(このへんで休憩)
日本(公取委)の状況
① 当然のように規制してきたが、
競争法の母国である米国にはない異端の規制だと日本では認識し、
② 無理やり競争との関係を説明してきた。
③ EUと同じだというと地位に関する違反要件のハードルが高くなってしまう(ような気がする)ので、搾取規制だとは決して言わない(呼称の問題)。
さらにもう一つの屈折:課徴金
課徴金を平成21年改正で導入したが、
非裁量的な課徴金制度となり、算定が大変であって、争われやすい
平成23年〜平成26年に5件の課徴金納付命令をしたあと、事例なし
平成31年〜令和2年の4件の審決は全て平成23年〜平成26年の命令に関するもの
課徴金を課さずに済む方法で?
確約認定
警告・注意
ガイドライン・実態調査報告書
その他
違反要件の構造
優越的地位
甲が取引先である乙に対して優越した地位にあるとは,乙にとって甲との取引の継続が困難になることが事業経営上大きな支障を来すため,甲が乙にとって著しく不利益な要請等を行っても,乙がこれを受け入れざるを得ないような場合である。
「優先的に審査を行う」ための条件
不利益行為(旧「濫用行為」)
2つの視角
あらかじめ計算できない不利益
過大な不利益
利用して
優越的地位と不利益行為の因果関係
(行為と弊害の因果関係ではない)
「相手方」
消費者(非事業者)でもよい